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AWA認証機構 会長
松崎 博彦
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「NPO法人AWA認証機構」(英名Architectural Warrant
Authority)を通称「構造物検証第三者機構」とすることにあたり
2013.3.14会長 松崎博彦
10年余に亘り、ひたすら研鑽を重ねてきた検証技術者の皆様、その真価を発揮し、能力を生かすことが求められる時代が来ました。
今年は我が国に資本主義の拡大エネルギーが投入されて146年目となります。
我が国の大量規格型生産システムは世界に類を見ない頂点を極めたとも言われています。その結果、専門分化され過ぎたタコツボ的技術者を量産しました。この間に構築された建物や膨大な社会資本は次々にその耐用年数を迎えはじめています。劣化による事故やトラブルが多発するのは当然のことと言えます。加えて、日本列島に地殻変動が起こり始めているという事実も否定できません。
検証技術者は、構造遺物の性能の本質を見抜く目を養うことをめざして研鑽を重ねてきました。断片技術だけでは対応できません。「断片技術と全体技術」という視点からの判断能力が求められています。いつ来てもおかしくない巨大地震に対して、その被害が発生した時、想定外のせいにしないため、第三者の立場として論述し、評価することが求められています。
建物を新築することは、企業にとっても、家庭にとっても、一世一代の事業の一つであります。建築の施工は着工すると同時に仮囲いで囲われ、いわば密室の中で粛々と工事が進みます。構造の仕組みや接合部の丁寧な信頼性はすべて専門家による専門的な行為であるとして一般の人々が見ることはありません。
構造体の信頼性につながる高度な専門技術の駆使、あるいは職人芸のつくり込みの実態を、実感を持って知ることで安心を獲得する仕組みを研究しているのが検証技術者集団であります。25項目の特定工程をモニタリングし、施工の完成度をその時、その場で確認するシステムです。
耐震改修補強設計は、既に病んでいる構造体を治療し復活させる行為でありますから、より一層、施工の完全性を高める監理が必要です。
私達の検証行為は損害保険会社により正当性を監視され、中立性、透明性が常に求められます。我国で唯一の一般技術者に与えられた職業危険賠償責任保険を有することから第三者機構という名称を標榜する技術者集団であります。
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