【前 文】

技術者は、技術の推進者であるだけでなく、科学技術の発展が人類を幸せに導く一方で、自然のバランスを破壊する可能性を有していることを、自覚している行動者でなければならない。

人類が地球上で生き続けるための「限定の道」として、ここに倫理規定を設け、科学技術の正しい利用を図ることを宣言し規範とする。

       
【技術者の責任】
1.

技術者は、つねに品位の保持に努め、業務の完遂に最善を尽くす。

       
【社会的な責任】
2.

技術者は、自らの専門知識、技術、経験を生かして業務にあたり、社会の安全と健康、福祉の促進、並びに向上に努力する。

       
【中立性の維持】
3.

技術者は、自らが立脚する専門的知識、技術に忠実で、業務の実施については公正、中立を旨とする。

       
【自己の研鑽】
4.

技術者は、つねに自らの専門能力の向上に努力する。科学技術の進歩とその利用を中立的、かつ客観的な立場から思考、論議し、社会の利益に貢献できる結論を求めて行動する。

       
【契約の遵守】
5.

技術者は、業務の依頼者、或いは雇用者の誠実な受託者、或いは代理者として行動し、業務にかかる正当な利益を擁護する立場を堅持する。

       
【業務の報酬】
6.

技術者は、機構が受託、または登録した業務について、正当な報酬以外に不当な手数料、贈与、その他これに類するものを受け取らない。

       
【秘密の保持】
7.

技術者は、業務で知り得た情報について秘密保持の義務を全うし、また盗用しない。情報の中に、社会や環境に重大な影響を与えると予測される内容が含まれるときは、契約者の間で情報公開の了解が得られる努力をする。

       
【相互の信頼】
8.

技術者は、相互に信頼し相手の立場を尊重して、機構と他の技術者の名誉を傷つけ、或いは業務を妨げることをしない。

       
【専門家等との協力】
9.

技術者は、業務に必要なとき、或いは役立つときには、他の専門家、または特殊技術者等と協力することに努める。

 
     
【立場の利用】  
10.

技術者は、機構が受託、または登録した業務に関わるときを除き、機構と認証技術者の立場を利用しない。